人生初の街頭演説をして思ったこと。
それは、ぜひ多くの方に「選挙に行ってほしい」ということです。今日はそんな気持ちで、市の財政について、田中しげのりの考えをお伝えしたいと思います。

選挙に行く意味、投票することの意義ってなに?

選挙は「有権者の意思表示をする機会」といいます。
でも、この言葉ではピンとこないですよね。「何をもって、どんなことに、どう意思表示すればいいの?」というギモンがあるのは当然のこと。私もそう思っていました。

では、身近なところで考えてみましょう。
例えば、家庭の中で、無駄遣いした旦那さんを奥さんは叱ることができます。
(私は、どちらかというと叱られる側、ですね)

他方、市政において無駄遣いしていても、直接意見する機会は残念ながらほとんどありません。もしそんな機会があるとしたら……。

それがまさしく、選挙なのです。

地方選挙、特に首長選挙が大事な理由は、「自分たちの暮らしを今後どうしていくか? どういったことにどれだけのお金を使うのか?」といった市民生活の直接的な舵取りをする人を決める、千載一遇の機会だからです。

では、田中しげのりは現在の藤沢市の財政について、どのように考えているか、まずはご説明したいと思います。

平成26年度の一般会計で見る、藤沢市の現状

さて、ここから先の数字の分析自体は、あるリサーチ会社に協力を依頼しました。
個人でお願いしたため、あまり予算がなく、単年でしか見られなかったことが残念ですが、それでも現状を知るには十分だと考えています。

「会計」「財政」と言うと、数字はちょっと苦手、という人にとって読みづらくなるかと思ったので、イメージしやすくするためにも他の市と比較して分かりやすくしてみました。

比較した市について(選んだ理由)

  • 藤沢市以外の3つの都市は、それぞれ藤沢市とほぼ同程度の人口を抱える地方自治体を選びました
  • 産業都市のT市は、全国的にも有名で地元の産業が盛ん。財政的に安定していると考えられる都市です。財政のあり方を考えるにあたって、目指すべきところとして選定しました
  • 地方観光都市T市は、まさに観光の街。その点が藤沢市と同じだと思ったので選定しました。
  • 住宅・学術都市K市は、都心に1時間程度で入ることができる立地の良さが藤沢市と近いと考え選定しました

では、ここからが「藤沢市の財政に関する話」のはじまりです。
でも、安心して下さい。多分、中学生にも分かってもらえるはずです。

1. 藤沢市って、財源はどのくらい?

藤沢市の財源規模財源は、行政サービスを充実させ、その地に暮らす人たち(=今回の場合は市民)の生活を支えるチカラの源といえます。
財源が大きくなるほど、サービスレベルもUPします。

産業都市のT市と、地方観光都市のT市は、藤沢市より財源が大きく、行政サービスを拡充できる余力がある、というわけです。

でも、これだけで判断してはいけません。

2. 藤沢市に、借金はあるの?

藤沢市の歳入に対する借金「依存度」ご家庭でも、いくら収入が多くても借金があると安心できませんね。
では、藤沢市としてはどうなのか、単年度の財源(歳入)に占める市債の割合を、借金割合として調べてみました。

要するに、財源となっているお金のうち、どのくらいが借金でまかなわれているか、をチェックしたわけです。

ご存知の通り、借金は利子負担や返済義務を有するもの。将来の財政を圧迫する恐れがあり、出来る限り依存したくないものです。

藤沢市は比較的、借金に頼らないで財源が確保できていることが見て取れます。

3. 過去の借金の返済状況は?

藤沢市の借金の残高増減率では、過去の借金についても見てみましょう。
ここでは、平成23年度の各地の借金成長率と、平成25年度のそれについて、市債残高の増減率として見てみます。

簡単に言うと、市債(=借金)がどのくらい残っているのか、平成23年と25年で比較し過去と比べて増えていないかチェックしてみた、とういことです。

ここで、借金成長率が高いということは、過去からの借金返済以上に、今、借入が行われており、将来にツケを残すことになる、という意味になります。逆に、成長率が低ければ「きちんと借金を返済できている」ので、将来への負担は減少します。
藤沢市、産業都市T市ともに、今回の4地域の中では優秀です。

※ 借金成長率:借金の“伸び率”のことを指します。
成長というと何となくプラスのイメージがありますが、この成長はしない方がいい、ということです。

4. もうちょっと踏み込んでみます

財源の大きさは、他の3都市に比べると小ぶりではありますが、借金も少なく、順調に返済もしており、私たち藤沢市は優秀です。
そこで、ちょっと気になったので、「財源の内訳」についても覗いてみました。

平成26年度の歳入内訳

産業都市T市との違いとしては、法人市民税の割合が少なく、個人市民税(つまり、私たちの税金)が、財源として比較的多くを占めている(23%)こと。また、市の独自の収入もかなりの割合(42%)を占めているということです。

個人市民税とその他の税収がいずれも安定して得られれば、財政は引き続き“健全”な状態でキープできます。
私たちの市は、私たちのお金で動いている。本当に誇らしいことです。

ただし、これは2025年までのこと、になるかもしれません。
では、「2025年以降は何が起こるのか? どこに安心できない要素があるのか?」について、お伝えします。

5. 誇れども、安心できない理由とは?

生産年齢人口の将来変化

出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25年3月推計)

上記は、2015年以降、2040年までの生産年齢人口の減少率を予測したデータをグラフ化したものです。藤沢市はこの減少率が全国平均よりゆるやといえます。2025年ごろまでは。

それまでは、今、市の財政の大黒柱のひとつとなっている個人市民税の納税者(=私たち)の数が著しく減ることは考えなくても良い、と判断できます。

が、2030年ごろから、ほぼ確実にその日はやってくるようです。
生産年齢人口の減少……。すなわち、個人市民税を納める市民が少なくなる、ということ。それはつまり、市の歳入が20%程度(=約60億円)落ち込むおそれがある、ということを意味します。

ただし、これは単純計算なので、不確定要素も多く、結論が変わる可能性はあります。
ただ、このままだと、今の行政サービスなどを持続させるために、60億円程度の借金を毎年していかなくてはならない、という危険性すら頭をよぎります。

では、立てられる対策はどんなものがあるでしょうか? 簡単に挙げると、2つあります。

  1. 約60億円分、節約する
  2. 約60億円分、他から稼ぐ

おそらく、多くの方が1を選択されるでしょう。そこでキーになるのが、「行政サービスのどこを削減するか」ということです。
では、ちょっと平成25年度の歳出を見てみましょう。

平成25年度の歳出内訳

出典:藤沢市「平成25年度歳出内訳明細」

「義務的経費」や「その他経費」とちょっと耳慣れない言葉が出てきたので、少しだけ解説しながら進めていきます。

まず、扶助費について。これは、医療や福祉、社会的なセーフティネットに関するサービスを行うための経費といえます。
将来的に、この費用は必ず増えます。
それというのも、加齢による病気や怪我のリスク、介護の必要性が高まるのは、高齢社会〜超高齢社会においては自然な流れだからです。これまでよりいっそう、扶助が必要になる社会になる、ということです。

そこで、私は、医薬連携地域包括ケア体制の構築で、ここ(=扶助費)を増やさないようにする取り組みをしたい、と訴えているわけです。

本当に必要な支出は削りたくないけれど、増やさない対策ができれば、もっといい。そのための取組みなら、やらない手はないですね。

でも、例えば健康寿命の延伸で、医療費負担などの扶助費を削減したい、と思っても「じゃあ、明日から削れるようにします」とやっていては間に合いません。健康は1日にしてはならないのです。だから、今からするべきだ、と考えているのです。

他方、行政サービスを行うための人件費、公債(借入金の返済)は削れません。
そうして、必要経費を見ていくと、残ったお金は111億円。

何にお金を使うか……。残念ながら、市民全員で直接的に決めることはできません。
だけど、市民全員が、決めることができる人を決めることはできます。
それが選挙なのです。

抑えられる将来の支出を抑え、財源と見込めるものを育てる

私なら、「たのしい」で掲げた湘南ピアプロジェクトや、新たな観光資源の創出で、将来財源となる芽を生み出し、個人市民税の税収が減っても、補ってあまりあるものとすることで、「さいごまで安心して暮らせるまち・藤沢」にしたい。
それができると考えているから、政策として提案しています。

義務的経費は削れなくても、増やさない努力は今からならできるし、成果を出せる。
その他経費は選択次第で減らすことができる!

それが私の考えです。

他の2人の候補のことはわかりません。
でも、今の財政状況と将来を勘案すると、将来増えるかもしれない支出を減らす努力を皆さんと一緒にしつつ、将来の新たな税収を見込むための投資を行うことこそが、藤沢市の生きる道だと信じています。

皆さん、ご家族で、家計の話はしませんか?
ひとり暮らしの人だって、自分の収入のうち、何にどのくらい使うか、考えますよね?
お金のことを疎かにしている人、思うまま使えるような人は、そうはいないでしょう。
その感覚と同じように、今日の記事を読んで考えてみてください。

そして考えてみてください。「今後の藤沢市は、どうあるべきか」ということを。

私は何度でも言います。
「今から将来に向けて、抑えられる支出を抑える努力をし、将来の財源となるものを産み育てること」こそが、藤沢市を「さいごまで安心して暮らせるまち」にする方法なのです。
そのために田中しげのりが考えた具体的な提案が、「くらし・あんしん・たのしい」の政策なのです。

これからの藤沢をどうしたいか、私は提案をさせていただきました。
では、どうするか? それを決めるのは、有権者であるあなたです。
そして、その意思表明をする手段は、選挙です。

今まで選挙に行かなかった方も、選びましょう。
そして、行きましょう、選挙へ!

あなたにも「市のお金の使い道」を決めてほしい。だから選挙に行ってほしいのです!

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